次にどんなCGIを開発するかを話し合うときは、必ずといっていいほど「予約システム」が話題にのぼる。
「予約システムは、インターネットならではの便利なシステムだから、ぜひ進めましょう」
「お問合せでもそういった要望多いみたいですよ」
こんな話だけなら、すぐに制作にとりかかるところなのだが、システム担当だけは少し渋い顔をしている。
「予約、予約といっても、業種や用途によっては様々なものが考えられるんだ」
と、システム担当がようやく口を開いた。
「じゃあ、いろんなパターンを作りましょう」
「もしくは、こちらでこんな感じというのを決めてまずは作ってみませんか?」
などと他のメンバーは予約システムの開発をなんとか進めようとあきらめない感じだった。
「オーダイメイドであれば、依頼主が求めているものが見えてくるんだけど、いろいろあるから悩むんだよ」
「だったらまずは……」
「いろいろあるからこそ、いろいろな使い方ができるように汎用的にしたいんだ。そこが開発するときの悩みなんだ」
「そうですよね、それがCGIKONの特徴のようなものですからね」
「でも、いつものことながら汎用的にするのはそう簡単じゃなくてね。低価格で提供するには、工数もできる限り抑えなくてはならないから」
「そうでしたね……」
他のメンバーがいかに浅い考えでシステム開発を進めようとしていたか反省していると、システム担当がメンバーを元気付けるように言った。
「そうだね、予約状況が見れるだけでも電話対応とか減るんじゃないかな?」
「そういえばそうですね、自分の見たいときに予約状況が見れるだけでもお客さんにとっては便利だし、お店側も電話対応が楽になるかもしれませんね」
システム担当は早速試作プログラムを作りはじめた。
出来たものは日付一覧表に○×などの記号で予約状況を作成・閲覧させるものだった。
お店側は、裏では常に手動で○×の変更をするなどの更新作業を行わなくてはならない。
しかし、24時間お客様が見たい時間に状況を見れる便利さ、その結果問合せ対応が軽減されるという効果がある。
そう考えれば、全ての予約業務をシステムで行うことができなくても、随分と違うのだ。
こうして出来上がったのが現在でも公開中の予約状況シリーズだ。
できれば大きなシステムを導入したいという気持ちはわかるが、まずは少しの改善ができること。そんな積み重ねが大きなものを生み出すのだと思う。
執筆担当:CGIKON 佐々木
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